2004.10.03
起業家支援コンサルタントセミナー
DGの専門家向けのセミナーでした。福岡に続いて2回目です。起業支援に必要なスキルというか、マルチ専門家への道(笑)みたいな専門家のスキルアップセミナーです。場所は東京。参加者は39人。駆出し専門家の体験談としてDG登録アドバイザーの宮嶋さんにもお話いただきました。みんな熱心に聴いていただきました。福岡では2時間の持ち時間で用意したレジュメの半分しか話せなくて、うちのスタッフに叱られたのですが、今回は20分も余分に時間をもらったのにまたまた、5分オーバーしてしまいました。(泣)やっぱ、3時間は要るかな?うん、、4時間かな?
マルチ専門家って考えは「専門バカ」について考えたところから始まっています。以下は昔々書いたコラムです。暇な人は、本当に暇な人は読んで下さい。忙しい人は読んだらアカンよ。(笑)
第十話 専門バカの進化論
この進化論は以前、僕が参加していたプロジェクトの成果物です。研究班みんなの共通資産のひとつです。当時の問題意識は「専門バカばっかりで困る」っていうものでした。しかし、議論が進むにつれて、その専門バカってほんまに専門スキル高いの?専門バカにも到達してなかったりして・・なんて話からこの「専門バカ進化論」が生まれました。
それでは――専門バカの進化論――の始まり始まり・・
『専門バカ』は進化する。この進化には前段階と後段階があり、『ニセ専門バカ』→『専門バカ』→『マルチ専門バカ』と進化する。また、私達研究班の解釈では『専門バカ』という表現は、一般 社会で使われているような揶揄した意味ではなく、どちらかといえば誉め言葉に分類される。それでは、それぞれの 生息地、得意技、口癖などを紹介することでその全容を説明したいと思う。
まず『ニセ専門バカ』であるが、生息地は大企業社内に多く、別 に大した専門バカでもないのであるが、長く同じ部門に従事することでこのニセ専門バカが繁殖する。この個体はネゴに際して、専門用語を多用し、相手を煙にまく得意技を持っている。
また、簡単な話をややこしくして、本人もわからなくなったり、最後には「難しい??」で帰ってしまう。口癖は、「それは専門外だ・・」「君は専門じゃないから・・」「それは難しい、そんなことができるか!だから素人は困る」など。
この『ニセ専門バカ』の個体の中で特異な少数個体だけが、次の『専門バカ』に進化する。これは、ほとんど突然変異である。先ほどの『ニセ専門バカ』に比べると本当の『専門バカ』で研究開発部門、技術部門に特に多く生息する。確かに専門性は高いが専門外に興味を持たないという特徴がある。得意技は「没頭」。自分の世界に入ってしまう。『ニセ専門バカ』のように自分の存在を主張しようとはしないが、干渉も嫌う。口癖は「ほっといてくれ・・」彼らは職人とも共通 点を持っていて、「できないでょ?」とか「難しいでしょ?」と云われると俄然燃える!やっぱり、その辺が本物の『専門バカ』と云われる所以である。
最後に進化の到達形である『マルチ専門バカ』。
彼らは自分の専門分野を持ちながら専門外についても幅広い知識があり、名前が表すように『マルチ志向』の『専門バカ』である。専門については抜群の見識とスキル、経験を持っていながら専門外についても好奇心が強く、勉強熱心である。各分野に平均点以上の見識があって、尚且つ専門分野は一流。私風に表現すると「天下一品こってり味」。企業内部にも生息するが、ほとんどの場合、その能力をフル活用している企業は少なく、「変わり者」と評価されている場合が多い。企業内部生息型に比べ独立系生息型の場合はネットワークも広く、楽しくやってる固体が多い。得意技はフットワークの軽さ、「誘われたら<断れへん、誘えへんかったら、誘うぞ!」。「なになになに・・」と何にでも興味を示し、首を突っ込む。専門分野の難しい話を簡単に説明できる。口癖は「おもしろい!やってみよう!」「何が・・、そんなん簡単やん!」そうです。『マルチ専門バカ』は「軽い」のです。