2004.11.28
使用前/使用後
このワークブーツは大阪にあるウェスタンショップ「ファニー」のオリジナルなんです。実はボロボロの方が2代目で新品が3代目です。一代目はすでに過去の人になっています。最近のこの手のブーツはラバーソールが多いのですが、これはレザーソールです。自慢です。(笑)このファニーっていうお店に最初に・・・
行ったのは高校3年の時でした。当時、サーフィンブームと平行してウェスタンが流行ったんです。バンダナがポピュラーになったのもこの頃(1970年頃)です。お店の場所は大阪のミナミでした。その後、梅田の阪急ナビオの中に移転し、今に至ります。当時、ファニーはオリジナルのモカシンを作っていました。(今も作ってくれると思います)これが仲間内で流行ってて、底の皮の色、サイド、トップ、それに甲に付くビーズの飾り、そんなのが自分柄でオリジナルにできました。このファニーではじめて買ったブーツがこれです。吉田はまだ、大学生でした。アウトドアーが好きなのでスキーの時に履いて行ったり、キャンプに使ったり、OFFのバイクの時にも履くのでボロボロになります。2代目はきっと、30歳過ぎてから買ったと思うのですが、3年ぐらい前に、この2代目のソールを修理に持っていったら、スタッフの人が「このブーツもいつまで作れるか?長くは無理やと思います」って言うのです。理由を聞くと、このブーツを作ってる職人さんが80歳を超えたので、そろそろ、仕事ができなくなるってことでした。その職人さんがいなくなると、このブーツはなくなるんですって・・。当時と違って2代目を買った時もこのブーツは定番ではなく、別注扱いでした。店頭には並んでいません。僕はあわてて、その時に3代目を注文したのです。ただ、いつできるか約束できない。できない時は金を返金するから容赦して欲しい。こんな条件でした。「できた時、納品の催促なし・・」(笑)結果的に半年後に出来てきました。よかった??。それが、この3代目です。
1代目は僕の手元にないのです。2代目と交換にファニーさんに返しました。その時に「こんだけ、履いてもらったら、じいさん、喜ぶで??」ってスタッフの方に言ってもらってので、2代目もボロボロになるまで、一緒にいろんなところに行きました。そして、目論見通りボロボロです。(笑)ミシンの糸があちこちで切れてきました。ソールも浮いてきて、もう、そろそろ寿命かも知れません。そして、今週、3代目を履きました。20代から履いて30年。いい物はいいんですよね。履き心地もまったく一緒。最低でも65歳まで履きます。履けます。でも、修理はもう無理なのかな?
いいものが生き残るとは限らない。だからこそ、僕たちはいいものを見つけ出して、大切に、長く使う。そうすると、心も豊かになる。
「もったいない」って言いますよネ。この「もったいない」という言葉は、「もったい」という言葉と否定語の「ない」が引っ付いて出来た言葉です。つまり「もったい」が「ある」の反対、「もったい」が「ない」ということです。ご飯を残すと「もったいない」と言い、能力が活かされてない人を見て「もったいないな??」と僕らは言います。
「もったい」とは「勿体」もしくは「物体」と書きます。「もったいぶる」「もったいをつける」も同じ語源です。さて、その「勿体」の意味ですが、「物のかたち」の意から、有様、態度、品格、または、その物の本体、価値などを言い表しているようです。また、仏教用語らしいんですが、この世に存在するすべてのものにはこの世での価値があり、その価値というか使命を「勿体」と言うらしいです。この辺の意味は前述の「日本語の意味」と通 じるところがあるようです。つまり、世の中に生まれた価値を十分に活かせてないことを「もったいない」という訳です。
僕のブーツはもったいありました。これからももったいあるように心がけます。