2006.04.08

起業セミナー


今日はドリームゲートと埼玉支援センターの共催の起業セミナーでした。このセミナーは年間100本ぐらい実施する予定です。今日はそのオープニングセミナーで話してきました。途中でお話したサーバント・リーダーシップのレジメが見えにくかったので、このblogにアップしますね。参考にして下さい。
それと、誰か、この日の写真下さ~い。

サーバントリーダーシップ

関西学院大学専門職大学院
経営戦略研究科 教授
吉田雅紀

人間力
人格者とは何をもって人格者というのか?人物とは何ももって人物というのか?
人間力とは人間関係力であり、人間関係力とは受容力である。相手の異質を受け入れ、自分の限界を受け入れ、時代の変化を受け入れ、都合の悪い事実も受け入れ、批判も受け入れ、思惑や思い入れ、思い込みなしに、ありのままを受け入れる力が受容力である。手に負えないヤツを排除するのではなく、自分の器を広げて受け入れる。それが器量である。話し合う能力、ふれあう能力、そして、ありのままの自分を相手に伝える。自己開示の力は受容力の原点である。
多くのリーダーは権力や権限で人を動かそうとする。しかし、サーバントリーダーは人間力でスタッフを導く。

信 頼
必要な時にすぐ動いてくれる。これが信頼の要である。広い見識を持ち、頼りがい、頼もしさ、思いやり、そして、誠実であることが信頼を担保する。
信頼のバックボーンは言葉である。言葉に力のないリーダーシップは機能しない。言葉の力は意思の力であり、意思の力とは自己確信である。自己確信とは自分が動けば自分や周りに好ましい結果が得られるという自信と見通しである。

行動を変える
愛するとは感情を表すのではなく、行動を表す動詞である。
私たちは他人に対する感情をコントロールできないが、他人に対する行動はコントロールできる。サーバントリーダーとしての真の人格は、苦手な人のために全力を尽くす時や厳しい試練をえた時、特に嫌だと思う人を信頼する時に現れるものである。
信頼なしで良い関係を維持するのは難しい。
そこに愛がないなら立ち去れ(ニーチェ)
メッセージ
あなたが時間に遅れる時にあなたは3つの悪いメッセージをスタッフに与えている。まず一つ目は、待っている人の時間より遅刻した自分の時間の方が大切だということ。次に、そうだとしても、相手が大切な人なら時間通りに来るから、待たされた人は大切な人ではないということ。最後に誠実な人間は約束を守る。だから、遅刻する人は誠実でないというメッセージも伝えている。時間に遅れることは、ひどく無礼な行いであり、習慣である。

訊くことと聞くこと
信頼を作り上げる最大の機会は、能動的に人の話を聞くことである。聞くには二つある。訊く(質問力)と聴く(理解力)である。
信頼を示すための基本的な務めの一つは相手に関心を払うことである。
サーバントリーダーはスタッフの言葉に耳を傾ける。ざっくばらんに雑談し、良い悪い、好き嫌いで意見をきらない、意見しない。

最初に聞くのはスタッフの意見である
現場は組織の矛盾を一番よく知っていて、その矛盾に向き合っている。だから、現場の意見を一番に聞くべきである。幹部や株主、ステークフォルダーの話はその次でも決して遅くない。個人の問題意識を拾い上げ、組織の問題意識に高めるのも聞く力である。

メッセージ
あなたがスタッフの話を遮る時にあなたは悪いメッセージを3つ与えている。
一つ目はもし自分の中で次に言うことを考えているなら、明らかに相手の言うことを聞いていない。二つ目は、相手または相手の意見を尊重していない。なぜなら、相手の言葉を聴くのに時間を割くことを拒んでいるからである。
そして三つ目に、自分が言わなくてはならないことは、相手が言わなくてはならないことより大切だと思っている。

ビジョンを語る
リーダーシップとは未来を指し示す力である。サーバントリーダーは常に考える。組織は何のために存在するのか?私たちの考えは正しいのか?この考えに偽るはないか?その戦略、戦術は適正か?あるいはその目標・役割は今も重要なのか?もっと別の目標を創れないのか?
サーバントリーダーは最後まで問い続ける。その先にビジョンがあり、理念がある。

やり抜くチカラ
サーバントリーダーシップとは一見できないことをやりとげる力を持つ人であり、やらなければならないことに合わせてやってみせるのがサーバントリーダーである。

リーダーの確信
リーダーは二つの確信を持っている。一つはビジョン、理念への確信であり、もう一つはそのビジョン、理念をメンバーが支持し、共有化しているという確信である。

貢献する
サーバントリーダーの役割はスタッフに貢献することである。チームをよい方向に導くためには、スタッフの仕事に貢献しなければならない。サーバントリーダーはスタッフの必要(ニーズ)を見つけ、それに応えることでスタッフの役に立つ。それは必要に答えるのであって、欲求に答えるのではない。スタッフがベストを尽くせるよう、はっぱをかけたり励ましたり、環境を作るのが仕事である。

発想力
サーバントリーダーは物事の本質を見極める。骨組みや構造をつかむ。別の見方、やり方を考える。多面的にモノを見る。目的や目標から考える。

問題意識
問題は誰にも問題とは限らないし、問題が認識されても誰もがそれを解決しようとは思わない。問題は見ないふりをしたら「ない」のと同じである。リーダーが解決すべき問題と思った瞬間にその問題は課題となる。

情報力
情報は量とか質が問題ではない。サーバントリーダーが組織目標に照らし合わせて、何をどうしたしたいのか?という彼の意志の問題である。情報は発信者のフィルターを経て、報告者の価値観に影響を受けて、受信者に伝わる。この世界に客観はない。すべて主観である。情報への向き合い方、理解の仕方はサーバントリーダーシップにとってもっとも重要なスキルである。
事実には意味がなく、どう意味付けするかに意味がある。

コミュニケーション力
サーバントリーダーシップには話す力と聞く力、書く力と読む力が必要である。聞くには耳を傾ける「聴く」と質問する「訊く」がある。我々は起きている時の70%をコミュニケーションに使い。65%の時間は聞いて、20%は話し、9%読み、6%書く。聞くことに一番たくさん時間を使っているが、誰も聞き方を教えない。
サーバントリーダーは自分を伝える前に相手を理解することに努める。組織の目的目標が共有化されているか?役割が相互理解できているか?テーマ、話の展開は共有化されたか?話の結論は相互確認できたか?すべて聞かないとわからない。

メンバー
優れたサーバントリーダーの条件とは優れたメンバーにある。

組織活力
リーダーの元気>メンバーの元気>組織の元気
リーダーの元気以上にメンバーは元気にならない。メンバーの元気以上に組織は元気にならない。

価値の共有
リーダーは組織目的と一体化しているが、メンバーはそうではないことを知るべきである。個人の目的と一致していない組織の目的はメンバーのストレスになるだけである。スタッフを育てるとは同じ価値を共有することであり、リーダーには組織目的と個人の自己実現をシンクロさせる力がいる。その為には彼の話を聞かなければならない。

変革力
このままではまずいと思う気持ちから変革は始まる。その為には失敗を失敗と認識する勇気が必要であり、ありのままの自分を認めることが大切である。

リーダーになることとリーダーであることは違う
リーダーであるとは組織の目的を達成するための指導者であり、目標達成の責任者として存在することである。そして、メンバーにリーダーと認められない限りリーダーではない。誰でもリーダーになれるが、誰でもリーダーで在りえるかというとそうではない。
命題は一つ、あなたは何を実現するためにリーダーとして存在するのか?リーダーであることは目的ではない。あくまでビジョンへの到達、理念を具現化するのが目的であり、使命である。
リーダーシップとは個性であり、対人影響力であり、志である。
そして、リーダーシップに弁解はない。

サーバントリーダーシップとはスキルである。
スキルとは習って、訓練して、努力して、身につけることのできる能力をいう。

参考文献
能力開発Planning http://www.h2.dion.ne.jp/~ppnet/index.htm
リーダーシップ論 最新医療経営フェイズ・スリー 日本医療企画 連載 2002.8~2004.7
サーバントリーダーシップ ジェームス・ハンター  訳 石田 量 2004年7月23日

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