2007.04.10
北海道にも春が来ていました。
朝の飛行機で伊丹から千歳へ。4月10日春の札幌です。
今日は仕事の前泊で夜に飲み会しかないのですが、伊丹からのANAが朝しかないので、昼にはここ札幌に着きました。ホテルのフロントに教えてもらった金平寿司さんで、お昼ご飯。いくら、うに、とろ、やりいか、サーモン、えんがわ・・・一貫づつですよ。(笑)
食事が終ってイノダへ。大丸の横に本の紀伊国屋さんがあってその2階になぜか?なぜか?イノダがあります。あのキャッチフレーズ“京都の朝はイノダで始まる”のイノダです。なんで札幌にあるのかは知らないですが、少し前に見つけていました。
「おいめの、べつ」注文してみましたが、ウェイトレスさんには通じませんでした。(笑)やっぱり、ここは札幌です。
僕は高校時代、イノダでバイトをしていました。バイト先は四条店です。洗い場から水場、喫茶に回って、最後にホールに出ました。その頃の先輩の松本さんが今では三条本店の店長です。
イノダのコーヒーはミルクも砂糖も最初から入ってきます。創業者の思いというか、これが一番おいしいと決めているのです。(笑)なので、常連さんはいろいろ注文を付けます。「ミルクを多い目にしてくれますか?」「お砂糖を別にして下さい」「ブラックでお願いします」この注文をウェーターが厨房に通します。「おいめ1コ」「すくなめ、べつ1コ、ブラック1コ、レモンティ1コ」この注文の仕方を聞いて、常連さんは「おいめ、ちょうだい」とか「べつで・・・」とか注文されます。京都らしいと言えば京都らしいのですが、注文の仕方で「通」か「一見」かがわかるんです。
予断ですが、イノダは怪物のような喫茶店で四条店は確か100席ほどありましたが、それが朝7時のオープンから夜7時の閉店までに10回転します。100席×10回転×500円×30日=15百万×12ヶ月=144百万です。平均単価はもっと高かったように思います。一つ間違ったら年商2億です。(笑)
洗い場も厨房も躾はすごく厳しくって、特にホールは大変です。忙しい店ですから一人で複数のテーブルのオーダーをかかえてしまうことになります。ウェーターは注文を伝票に書き込み、その伝票をテービル上に置きます。初めてのお客様は注文が出てないのに伝票を置くウェーターにびっくりしますが、イノダではそれがルールです。
ウェーターはテーブルごとに注文を暗記します。2~3人のお客様は問題ないですが、団体さんは大変です。10人なんてざらに来ますから、さあ、大変。すべて暗記しないといけないです。新米ウェーターは団体さんに尻込みします。(笑)ベテランは平気に覚えます。これがカッコイイのです。そして、喫茶コーナー(イノダ用語では中と言います)も大変です。10人以上いるウェーターが次々通す注文をテーブルごとに暗記します。パフェがあったり、紅茶、おいめ、すくなめ、ブラック、アイス、フロート、ソーダ水・・・みんな暗記します。そして、もっとすごいのはテーブルごとのオーダーをいっぺんに出します。中には3人います。チーフが他の二人と連携して出来上がりの時間が違うそれぞれのオーダーをいっぺんに仕上げます。中は注文が上がったことをウェーターには知らせません。ウェーターは常に他の注文を取りながら、カウンターを注意しています。上がった品揃えを見て自分の注文だとわかると、さっと取りに行きます。
上がった飲み物やオーダーがすぐに取られないと、中のチーフが叫びます。「吉田だぁ~!あがっとる!」チーフは誰の注文かすべて覚えています。これまたカッコイイ。「待たせない」「温かいうちに召し上がってもらう」これがモットーです。店長は「遅い」と思ったテーブルに何気なく寄って、伝票をチラっと見ます。ウェーターはバタバタ動いていますが、それでも店長を見ています。そして店長のこの動きに敏感です。(笑)
1年バイトしましたが、いろんなことを教わりました。みなプロでした。